信仰未満憧憬以上

明るみ・パンチ

初夏にして君を離れ

私がよく使っているアプリのメモ帳には昨日までマックの求人広告が表示されていた。何らの社会性もないたわごとを書き連ねているメモ帳に笑顔と大声が求められる求人が出るなんて誤ってると思う。チカチカうるせぇなあ、働けねぇよマックでなんかさあ、と逃…

火事場の周辺

死にます・死にます・死にますで見事にビンゴを達成してしまう日がある。今日だ。私は布団の中で目を見開く。ヒアーミーアウト。聴ききれよ。脳のひとつひとつの溝に紫色の煙が充満して、油切れのブリキ人形のように身体ががたつき、地球を破壊する有害物質…

グリーン・ホーネットの斎場

部屋で自分の死体を発見した。おはようからおやすみまで7年間慣れ親しんできた肉体はとっくに・かなり昔に・完全に失われていた。 今から7年あと、7年前、まぁどっちでもいいが、とにかく7年ほど前に不幸にも死んでしまった俺は、ポリ袋に入ったくにゃく…

笑いながら生きる

ある日、道端に割りばしが落ちていて、私はとっさにそれを拾った。箸を忘れたから、弁当が食えない。コンビニエンスストアで要らん物を買って、割りばし貰わなきゃ、箸、箸。例えば、プリンと割りばし。ゼリーと割りばし。あ、割りばし下さい。こんな風に、…

クソバイト放逸記

拝啓、クソバイトをしていた。オチを言うと飲食店で二日働いてすぐに辞めた。今回のことで良く分かった。私って駄目方面の人だった。薄々気付いてはいた。社会に向き合う力が無い。そういうやつが労働に従事すると人を殺す確率が上がる。なぜか。常に曲芸を…

崖にいる馬鹿

いつか春の嵐吹き付ける草原ですべての正気を失う安堵 光満つ車内でぼくはヒーローかひとしく赤が流れる皮膚は 約束が散らばり果てる続・聖書燃してしまえばあたたかな街 かじかんで霞む視界の暗きことついぞ何にもなれないままか 祈りなど届いたことがあっ…